就労ビザが入社予定日までに許可されないときは
【留学生の就労ビザ】内定先で働き始められるのはいつ?
勤務可能日は「許可日」から
3月の卒業シーズンには、企業様・留学生ご本人から「いつから働けますか?」というご相談を多くいただきます。結論からお伝えすると、内定先で勤務を開始できるのは、就労系の在留資格(技術・人文知識・国際業務など)が許可された日以降です。卒業して学生ではなくなっていても、「留学」の在留資格のままでは社員として就労することはできません。
4月1日に間に合わないケースが増えています
留学ビザから就労ビザ(技人国など)への変更には、通常2週間〜2カ月ほどの審査期間がかかります。
特に3月末は申請が集中するため、3月後半に申請した場合、4月1日の入社日に間に合わず、許可が4月中旬〜5月以降になるケースも珍しくありません。
許可が遅れた場合は “勤務できない期間” が発生します
在留資格が許可されるまで、内定先での勤務はできません。
勤務開始日の具体例
- 在留資格が 4月15日許可 → 4月15日から勤務可能
- 4月14日までは「留学」ビザ → 社員として勤務不可
卒業後であっても、在留資格が「留学」のままである限り、留学生としての資格外活動(アルバイト)以外の就労は認められません。
そのため、内定者は入社前の「待機期間」を過ごすことになります。
よくある誤解
企業様から多い誤解は次のとおりです。
- 「卒業したのだから働いていいのでは?」
- 「内定しているのだから問題ないでしょう?」
- 「在留資格の申請中なら働けるはず」
いずれも誤りです。勤務開始日は許可日のみが基準です。
企業が注意すべきポイント
① 入社日を柔軟に調整する
4月1日入社にこだわると不就労期間が発生するため、
在留資格の許可日を基準に入社日を設定するのが安全です。
② 早めの申請をサポートする
留学生は卒業・引っ越し・アルバイトなどで多忙になりがちです。
企業側が書類準備を早めに行うことで、審査期間を短縮できます。
③ 無資格就労のリスクを理解する
在留資格がない状態で働かせてしまうと、企業側にも
入管法違反(不法就労助長罪)のリスクが生じます。
入社日(雇用開始日)は在留資格の許可日に合わせて調整するのが一般的です
社員が入社するときには、社会保険の加入手続きなど、会社側で行うべき事務手続きが発生します。特に、健康保険・厚生年金保険、雇用保険は「入社日」を基準に被保険者となるため、入社日は非常に重要なポイントです。外国人を採用する場合、原則として「在留資格が許可された日」以降を入社日とする必要があります。
たとえば、在留資格変更許可が4月15日に出たケースでは、その翌日の4月16日を入社日として取り扱うことがあります。このように、外国人採用では審査結果のタイミングにより入社日が前後するため、経営者や人事担当者は入社日の設定に十分な配慮が必要です。
就労可能な在留資格であることを在留カードで確認してから雇用する
在留資格が許可されると、入国管理局から新しい「在留カード」が交付されます。カードには、たとえば「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格の種類と在留期間(満了日)が記載されています。会社が外国人を雇用する際は、入社前に必ず在留カードを確認し、就労可能な在留資格であることをチェックすることが重要です。
これを怠ると、知らないうちに不法就労に該当してしまうリスクがあります。
