技術・人文知識・国際業務ビザ(技人国ビザ)と日本語能力
技術・人文知識・国際業務ビザ(技人国ビザ)と日本語能力
外国人を正社員として採用する際に、多くの企業で利用されるのが
「技術・人文知識・国際業務ビザ(通称:技人国ビザ)」です。
このビザは、日本で高度な専門的業務を行う外国人に与えられる在留資格の一つで、
特に ITエンジニア・経理・人事・通訳・海外営業・貿易実務 など幅広い分野で利用されています。
一方で、採用企業や外国人の方からよく寄せられる質問が
「技人国ビザを取るのに日本語力は必要ですか?」
というものです。
結論から言えば、技人国ビザの取得条件そのものに日本語能力は含まれていません。
しかし、実務や生活を考えると、日本語力は就労・定着に大きく影響します。
以下で詳しく解説します。
技人国ビザの取得要件と日本語能力
主な取得要件
10年以上の実務経験
ここに「日本語能力」という要件は含まれていません。
日本語能力が重視される理由
入管審査では不要でも、企業の採用基準や実務で強く求められるのが現実です。
JLPT(日本語能力試験)の目安
N1~N2:ビジネスレベル。多くの企業が求める基準
N3:日常会話に問題なし。技術職や補助業務では十分な場合あり
N4以下:ビザ取得は可能だが、実務や生活で支障が出る可能性
Q&A:技人国ビザと日本語能力
Q1. 技人国ビザを取得するのに日本語能力試験(JLPT)の合格は必要ですか?
A1. 必要ありません。
審査は学歴・職務内容・雇用契約が中心で、日本語資格の有無は直接的な要件ではありません。
Q2. 日本語が全くできなくても技人国ビザは取れますか?
A2. はい、取得は可能です。
ただし、業務に支障が出る場合は企業側が採用を見送るケースもあります。
Q3. 採用企業はどのレベルの日本語力を求めるのが一般的ですか?
A3. 事務系や営業系の職種ではN2以上、技術職ではN3以上を目安にする企業が多いです。
Q4. 日本語が不足している外国人を採用したい場合、企業はどう対応すべきですか?
A4. 通訳の配置、英語を社内共通語にする、日本語研修を提供するなどの対応でカバーすることが可能です。
Q5. 入管は日本語能力を全く見ないのでしょうか?
A5. 基本的に直接的な審査項目ではありません。
ただし、申請書類の整合性や面接(場合による)で日本語でのやり取りが発生することはあります。
採用企業向けチェックリスト
外国人を採用する際に確認すべきポイントを整理しました。
✅ 学歴・職歴の確認(大学・専門学校の専攻が職務に関連しているか)
✅ 職務内容がビザの在留資格に適合しているか(単純労働は不可)
✅ 給与水準が日本人と同等以上か(最低賃金を満たしているか)
✅ 雇用契約書の内容が明確か(労働条件通知書の準備)
✅ 日本語能力を業務ごとに設定しているか(例:営業はN2以上、エンジニアはN3以上など)
✅ 日本語力が不足する場合の対応策があるか(通訳、研修、英語運用)
✅ 申請書類の整合性が取れているか(学歴証明書、職務内容説明書など)
このチェックリストを確認することで、ビザ申請時のリスクを減らし、採用後のミスマッチも防ぐことができます。
まとめ
技人国ビザの取得要件に日本語能力は含まれない
しかし、就労・生活面では日本語力が大きなカギ
採用企業は「職務に必要な日本語力」を明確にし、事前に確認すべき
当事務所では、
を行っております。
外国人採用をご検討中の企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。