物流・運送業界で外国人が働く場合に必要な就労ビザ
物流・運送業界で外国人が働くには?必要な就労ビザと取得のポイント
物流・運送業界では、人手不足が深刻化しており、外国人労働者の受け入れを検討する企業が増えています。とはいえ、「どの就労ビザを取得すれば働けるのか」「受け入れ時の注意点は?」といった疑問を抱く企業担当者も多いでしょう。
この記事では、行政書士が物流・運送業界で外国人が働く際に必要となる就労ビザについて、制度の概要から申請のポイントまでわかりやすく解説します。
物流・運送業界で外国人を受け入れる背景
日本の物流・運送業界では、ドライバーの高齢化や若年層の減少により、慢性的な人手不足が続いています。国土交通省もこうした現状を踏まえ、外国人材の受け入れを段階的に拡大する方針を示しています。
とくにトラックドライバーや倉庫作業員など、現場での労働力確保は急務です。そのため、今後は特定技能ビザなどを活用した外国人雇用が進むと見込まれています。
物流・運送業界で働く外国人に必要な就労ビザの種類
外国人が物流・運送業界で働く場合、従事する業務内容によって取得すべきビザが異なります。
主に次の3種類が挙げられます。
特定技能ビザ(特定技能1号)
2024年以降、「物流分野」が特定技能1号の対象として追加される予定です。対象職種には、トラック運転、倉庫作業、仕分けなどが含まれます。
- 日本語能力試験(N4程度)の合格が必要
- 分野別技能試験への合格が求められる
- 在留期間は最大5年
特定技能ビザは、即戦力として現場業務に従事する外国人を雇用できる点が大きなメリットです。
特定活動ビザ(46号)
「特定活動46号」は、大学または大学院を卒業した外国人が、専攻を活かして日本企業で働くためのビザです。物流業界の場合、通訳、海外取引、物流管理といったホワイトカラー業務が該当します。
現場作業中心の業務では認められませんが、国際物流や貿易業務など、学歴との関連性を説明できれば取得が可能です。
技能実習ビザ
技能実習ビザは、発展途上国の外国人が日本で技能を学ぶための在留資格です。倉庫作業や検品などの業務で受け入れ実績があります。
ただし、技能実習制度はあくまで「技能移転」が目的のため、単なる労働力確保として利用することは認められていません。制度終了後に特定技能へ移行するケースも多く見られます。
特定活動ビザで物流業界に就労する際の注意点
特定活動ビザを利用して外国人が物流業務に就く場合、次の点に注意が必要です。
- 学歴と業務内容の関連性があること
- 翻訳・通訳・物流企画など専門的業務であること
- 雇用契約書や職務内容書を明確に示すこと
特定活動ビザは、単純労働を目的とした就労は認められません。申請時には、大学での専攻内容と業務の関連性を説明できるよう、事前に資料を整えておくことが重要です。
特定技能ビザによる外国人ドライバー受け入れの今後
政府は2024年から物流分野を特定技能制度の対象に追加する方針を発表しています。これにより、トラックドライバーや倉庫スタッフとして外国人を正式に雇用できる道が開かれる見込みです。
今後、分野試験の実施や制度運用の詳細が公表されるため、企業は早めに体制整備を進めておくとよいでしょう。たとえば、外国人労働者の受け入れ体制や教育・安全管理体制を準備しておくことがポイントです。
外国人を雇用する企業側の注意点
外国人を雇用する企業には、次のような義務や注意点があります。
- 外国人雇用状況の届出(ハローワーク)
- 日本人と同等以上の賃金・労働条件の確保
- 在留カードの確認・更新管理の徹底
- 不法就労助長罪に該当しないよう雇用管理の適正化
在留資格の種類や有効期限を正しく把握し、適切な就労範囲内で雇用することが企業の責務です。
行政書士に依頼するメリット
就労ビザの申請は、書類の作成から入管への手続きまで専門的な知識が求められます。行政書士に依頼することで、以下のようなメリットがあります。
- 煩雑な書類作成・取次業務を代行
- 最新の入管実務に基づいた申請サポート
- 企業・外国人双方の負担を軽減
自社での申請に不安がある場合は、専門家である行政書士に相談することで、スムーズかつ確実な手続きが可能になります。
まとめ:物流業界の外国人雇用はビザ選びが鍵
物流・運送業界で外国人を雇用するには、業務内容に合った就労ビザを選択することが最も重要です。特定活動・特定技能・技能実習など、それぞれに要件や制限があります。
制度変更が多い分野のため、最新情報を踏まえて準備を進めることが成功のポイントです。
外国人雇用・ビザ申請のご相談は当事務所へ
松戸駅前行政書士事務所では、物流業界における外国人雇用・就労ビザの申請サポートを行っています。
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外国人雇用に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。
