特定技能ビザで永住ビザ?家族滞在ビザ?就労ビザとの違い
特定技能ビザとは
特定技能ビザとは,2019年に新設された就労ビザのひとつで,人手不足が深刻な16分野で一定の専門性や技能をもつ即戦力外国人の受入れを認めたビザです。
特定技能ビザと就労ビザ(技人国)の6つの違い
外国人に人気の高い就労ビザ「技術・人文知識・国際業務(技人国)ビザ」と、特定技能ビザの違いを6つのポイントで比較します。
① 在留期間
| ビザ | 在留期間 |
|---|---|
| 特定技能ビザ | 4ヶ月・6ヶ月・1年のいずれか(最大5年) ※2号ビザは実質無期限 |
| 就労ビザ(技人国) | 3ヶ月・1年・3年・5年のいずれか、回数制限なしで更新可能 |
ポイント:特定技能2号への移行で実質無期限、就労ビザは条件に問題なければ無期限更新可能。
② 外国人の要件
| ビザ | 要件 |
|---|---|
| 特定技能ビザ | 日本語能力(N4以上またはJFT-Basic A2)+各分野で定められた技能試験合格 ※技能実習2号修了者は技能試験免除 ※介護分野は日本語試験必須 |
| 就労ビザ(技人国) | 技術・人文知識分野:大卒以上または10年以上の実務経験 国際業務分野:該当業務で原則3年以上の実務経験 ※翻訳・通訳・語学指導者は大卒で実務要件免除 |
③ 業務内容
| ビザ | 従事可能業務 |
|---|---|
| 特定技能ビザ | 16分野で定められた業務+付随業務 例:農業従事者が農産物販売などに付随業務従事可能 |
| 就労ビザ(技人国) | 専門知識・技能を活かせる業務のみ(単純作業不可) |
④ 家族帯同の可否
| ビザ | 家族帯同 |
|---|---|
| 特定技能ビザ | 不可(2号は可能) ※1号は帯同不可、2号は帯同可能 |
| 就労ビザ(技人国) | 可能(家族滞在ビザで呼び寄せ可) 週28時間までのアルバイトも可能 |
⑤ 転職の可否
| ビザ | 転職 |
|---|---|
| 特定技能ビザ | 可(分野・業務区分の技能要件内で転職可能) |
| 就労ビザ(技人国) | 可(所属機関変更届の提出のみ) 就労資格証明書で転職先が要件を満たすか確認可能 |
⑥ 永住ビザ取得の可否
| ビザ | 永住ビザ |
|---|---|
| 特定技能1号 | 不可 |
| 特定技能2号 | 将来的に可(在留期間を永住要件に含められる) |
| 就労ビザ(技人国) | 可(10年以上の在留で申請可能) |
特定技能ビザから他の就労ビザへの切り替え
特定技能ビザをもつ外国人でも、条件を満たせば他の就労ビザへ切り替えが可能です。主なケースを紹介します。
① 就労ビザへの切り替え
特定技能ビザ保持者は、就労ビザの要件を満たすことで切り替えが認められます。
例:
- 特定技能ビザで就労しながら、通信制大学で学位を取得して学歴要件を満たす
- 日本語能力試験N2以上を取得し、就労しながら技能実習生の通訳業務などの経験を積む
このように、学歴・実務経験・日本語能力などの条件を満たせば、就労ビザへの切り替えが可能となるケースがあります。
② 介護ビザへの切り替え
特定技能ビザで介護分野に従事している場合、介護福祉士の資格を取得すれば介護ビザへの切り替えが可能です。
ポイント:
- 就労可能な業務は介護業務に限られます
- 介護ビザでは、就労ビザと同様に家族帯同が可能
- 在留期間は実質無期限で更新できます
特定技能ビザと就労ビザの違いまとめ
本記事では、特定技能ビザと就労ビザの違いについてご紹介しました。
就労ビザは、日本で従事する業務や目的に応じて種類が分かれており、それぞれの要件も異なります。そのため、誤ったビザで外国人を雇用すると、入管法に抵触する可能性があります。
外国人を雇用する際は、適切なビザを選ぶことが非常に重要です。
「特定技能ビザと就労ビザのどちらを取得すべきか」「それぞれのメリット・デメリットは?」など、ご不明な点がありましたら、当事務所の無料相談をご利用ください。
