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技人国で外国人を雇用する企業が確認したいポイント|現場業務と在留資格の適合性

外国人を「技術・人文知識・国際業務」(以下、技人国)の在留資格で雇用している企業では、外国人社員が実際に担当している業務と、在留資格の活動内容が一致しているかを確認することが重要です。

2026年7月、政府は「第2次出入国在留管理基本計画」を公表しました。同計画では、技人国の在留資格を持つ外国人が、専門的な知識や技術を必要としない現場業務に従事している事案について、対応が必要な課題として取り上げています。

今後は、外国人本人の申請書類だけでなく、実際の就労状況を把握するための取組や、雇用企業側の管理体制にも注目する必要があります。

本記事では、技人国で外国人を雇用している企業が知っておきたい制度の動向と、日頃から確認しておきたい事項を解説します。

1.第2次出入国在留管理基本計画とは

出入国在留管理基本計画は、今後の出入国在留管理行政の基本的な方針を示すものです。2026年7月31日に第2次計画が定められました。

今回の計画では、外国人の適正な在留管理に関する課題の一つとして、技人国の在留資格を持つ外国人が、専門的な技術や知識を必要としない現場業務などに従事している事案が挙げられています。

また、計画では、次のような方向性が示されています。

  • 事業所への実態調査など、直接的な情報収集手段の強化
  • 外国人が在留資格に応じた活動を行うことを確保するための措置
  • 在留資格で認められる業務範囲の案内や、在留審査の運用の改善

基本計画そのものが、直ちに新たな罰則や一律の業務制限を設けるものではありません。ただし、今後の制度運用を考えるうえで、企業が把握しておきたい重要な動向です。

2.技人国の外国人に現場業務を任せてもよいのか

技人国は、専門的な知識や技術を活用する業務、または外国の文化に基盤を有する思考や感受性を必要とする業務などを対象とする在留資格です。

例えば、業務内容や本人の専門性などの要件を満たす場合、次のような仕事が対象となり得ます。

  • システムエンジニアやプログラマー
  • 商品企画、マーケティング、経営管理に関する業務
  • 通訳・翻訳
  • 海外取引や貿易に関する業務
  • 専門知識を活用する設計、生産管理、品質管理など

一方、専門的な知識や技術を必要としない単純作業が主な業務となっている場合には、技人国の活動内容に該当するか慎重な確認が必要です。

例えば、製造業で採用した外国人社員が、採用時には生産管理や品質管理を担当するとされていたものの、実際には製品の組立てや梱包などの作業を主に行っているケースです。

ただし、現場で作業をしたことだけを理由に、直ちに在留資格の範囲外であると判断できるわけではありません。実際の業務内容、専門的な業務との関連性、現場作業の位置付けなどを総合的に確認する必要があります。

大切なのは、職務内容書に記載された仕事内容と、実際に担当している仕事が一致しているかどうかです。

3.企業が確認しておきたい3つのポイント

① 雇用契約書や職務内容書と実際の仕事が一致しているか

まず、採用時に作成した雇用契約書、職務内容書、在留資格の申請時に提出した資料などを確認しましょう。

書類上は専門的な業務を担当することになっていても、実際の仕事が異なっている場合には、在留資格との適合性について説明が必要になる可能性があります。

② 現場作業と専門的な業務の割合を把握しているか

外国人社員が複数の業務を担当している場合には、それぞれの業務内容と実施状況を整理しておくことが重要です。

例えば、管理業務、品質管理、通訳、事務、製造作業などを担当している場合、それぞれの業務を具体的に把握し、実態に即して説明できるようにしておきましょう。

なお、現場作業の割合について、一律の数値基準だけで判断できるものではありません。業務の専門性や職務全体の内容などを踏まえた個別の検討が必要です。

③ 外国人社員の業務内容を継続的に管理しているか

入社時に問題がなかったとしても、配置転換や人員不足などによって担当業務が変わることがあります。

そのため、採用時の確認だけでなく、異動や担当業務の変更があった際にも、在留資格との適合性を確認できる仕組みを整えておくことが望まれます。

4.在留資格の活動内容に合っていない可能性がある場合の対応

自社の外国人社員について、在留資格と実際の業務内容が一致していない可能性がある場合には、次の手順で状況を整理することをおすすめします。

STEP1 実際の担当業務を整理する

外国人社員ごとに、現在の担当業務、勤務状況、業務上の役割などを確認します。

STEP2 申請時の内容と比較する

雇用契約書、職務内容書、在留資格の申請に関する資料などを確認し、申請時に想定していた仕事内容と現在の業務に違いがないかを検討します。

STEP3 必要な対応を個別に検討する

確認の結果、在留資格との適合性に問題がない場合には、その根拠となる職務内容や記録を整理しておきましょう。

業務内容の見直しが必要な場合には、実際の職務を適法な範囲に調整できるかを検討します。

現在の業務を継続するために別の在留資格が適している可能性がある場合には、本人の学歴、職歴、業務内容、各在留資格の要件などを踏まえて、変更の可否を慎重に判断する必要があります。

なお、業務内容を変更したり、別の在留資格への変更申請を行ったりすれば、必ず問題が解消されるわけではありません。個別の状況に応じた検討が重要です。

5.不法就労助長罪の法定刑引上げにも注意

外国人雇用では、本人の在留資格だけでなく、企業側が適法な就労を確保することも重要です。

2024年に成立した改正入管法により、不法就労助長罪の法定刑は、2027年4月1日から引き上げられる予定です。

改正後の法定刑は、5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、またはその両方です。

ただし、技人国の外国人社員が現場業務を担当しているからといって、直ちに不法就労助長罪が成立するわけではありません。具体的な業務内容や企業側の認識・過失など、法律上の要件に基づいて判断されます。

企業としては、在留カードを確認するだけでなく、在留資格と担当業務の関係を把握し、適切な雇用管理を行うことが大切です。

6.外国人雇用を継続するために、今からできること

技人国で外国人を雇用している企業は、制度の動向を確認するとともに、日頃の雇用管理を見直しておくことが重要です。

特に、次のような企業は、現在の状況を確認してみましょう。

  • 外国人社員の担当業務が、採用時から変わっている
  • 人手不足のため、専門業務以外の仕事も任せている
  • 職務内容書と実際の仕事内容が一致しているか分からない
  • 在留期間の更新を控えている外国人社員がいる
  • 複数の外国人社員を雇用しているが、業務内容の管理方法が決まっていない

すべての企業が直ちに在留資格を変更しなければならないわけではありません。まずは現状を正確に把握し、必要に応じて適切な対応を検討することが大切です。

まとめ

2026年7月に定められた第2次出入国在留管理基本計画では、技人国の外国人が在留資格の活動内容に該当しない現場業務などに従事している事案について、実態把握や対応を強化する方向性が示されました。

外国人を雇用する企業は、次の3点を意識しましょう。

  • 在留資格で認められる業務と、実際の担当業務を確認する
  • 雇用契約書や職務内容書と実際の就労状況に違いがないかを把握する
  • 業務内容や配置が変わった場合にも、在留資格との適合性を確認する

外国人雇用を安定して継続するためには、採用時の申請手続だけでなく、採用後の適切な雇用管理も欠かせません。

松戸駅前行政書士事務所では、外国人の在留資格申請や外国人雇用に関するご相談を承っています。

技人国で雇用している外国人社員の仕事内容や、在留期間の更新、在留資格の変更について確認したい場合は、お気軽にお問い合わせください。

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参考資料

– 法務省「第2次出入国在留管理基本計画」(2026年7月31日)
– 出入国管理及び難民認定法
– 出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律(令和6年法律第60号)

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