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外国人の在留資格は取り消される?仕事を辞めた場合や離婚・別居した場合の注意点を行政書士が解説

日本に在留する外国人の方にとって、在留資格(いわゆるビザ)が取り消されるかどうかは、生活や仕事に大きく関わる問題です。

例えば、次のような状況に心当たりはないでしょうか。
• 会社を退職してから、しばらく仕事をしていない
• 転職活動をしているが、なかなか就職先が決まらない
• 日本人の配偶者と離婚した
• 配偶者と別居している
• 引っ越しをしたが、住居地の届出を忘れていた
このような場合、在留資格の取消しの対象になる可能性があります。
ただし、仕事を辞めたからといって、すぐに在留資格が取り消されるわけではありません。また、一定期間が経過しただけで、自動的に在留資格がなくなるわけでもありません。
この記事では、在留資格の取消しについて、就労系の在留資格と配偶者関係の在留資格の違い、注意すべき期間、取消しを避けるために確認したいポイントを解説します。

1.在留資格の取消しとは?

在留資格の取消しとは、一定の法定事由に該当する場合に、法務大臣が外国人の在留資格を取り消す制度です。
根拠となる法律は、出入国管理及び難民認定法(入管法)第22条の4です。
在留資格の取消しは、単に仕事をしていない、配偶者と別居しているといった事情だけで、一律に決まるものではありません。法律上の取消事由に該当するか、正当な理由があるかなどを踏まえて判断されます。

特に注意したいのが、次の2つのケースです。

  • 就労や留学など、在留資格に基づく活動を一定期間行っていない場合
  • 配偶者関係の在留資格で、配偶者としての活動を一定期間行っていない場合
    それぞれ、取消しの基準となる期間が異なります。

2.就労系の在留資格は3か月以上活動していない場合に注意

対象となる在留資格

代表的な在留資格には、次のものがあります。
• 技術・人文知識・国際業務
• 特定技能
• 技能
• 経営・管理
• 企業内転勤
• 留学
• 家族滞在
これらは、入管法上の別表第1に掲げられる在留資格です。ただし、在留資格ごとに本来行うべき活動は異なります。

3か月以上活動していない場合

入管法第22条の4第1項第6号では、別表第1の在留資格を持つ外国人が、正当な理由なく、在留資格に応じた本来の活動を継続して3か月以上行わずに日本に在留している場合を、取消事由の一つとしています。
例えば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で会社に勤務していた外国人が退職し、その後、正当な理由なく本来の活動を行わないまま3か月以上日本に在留しているケースです。
ただし、3か月という期間が経過したら、必ず在留資格が取り消されるという意味ではありません。

正当な理由があれば取消しの対象とならない場合がある

出入国在留管理庁は、例えば次のような事情がある場合、正当な理由が認められ、取消しの対象とならない場合があると説明しています。
• 退職後、会社訪問など具体的な再就職活動を行っている
• 病気など、やむを得ない事情によって活動ができない
• その他、活動を行わないことについて合理的な事情がある
正当な理由が認められるかどうかは、個別の事情に基づいて判断されます。
そのため、退職後に転職活動をしている場合は、応募先や面接の日程、採用担当者とのやり取りなどを記録しておくことが大切です。

3か月を待たずに取消しの対象となる場合もある

注意したいのは、在留資格に基づく活動を行っていないだけでなく、別の活動を行っている、または行おうとしているケースです。
例えば、就労系の在留資格で認められた活動を行わず、資格外の活動を行っている場合などは、別の取消事由に該当する可能性があります。
この場合、3か月の経過を待つ必要があるとは限りません。
また、在留資格で認められた範囲を超えて働く場合には、資格外活動許可の要否なども確認する必要があります。

3.日本人の配偶者等・永住者の配偶者等は6か月以上活動していない場合に注意

対象となる在留資格

配偶者関係の在留資格には、次のものがあります。
• 日本人の配偶者等
• 永住者の配偶者等
これらの在留資格は、日本人や永住者などとの婚姻関係をはじめとする、法律で定められた身分関係を基礎とする在留資格です。

配偶者としての活動を6か月以上行っていない場合

入管法第22条の4第1項第7号では、対象となる在留資格を持つ外国人が、正当な理由なく、配偶者としての活動を継続して6か月以上行わずに日本に在留している場合を、取消事由の一つとしています。

例えば、次のようなケースには注意が必要です。

• 日本人の配偶者と離婚した後も、日本人の配偶者等の在留資格で日本に在留している
• 永住者の配偶者と離婚した後も、永住者の配偶者等の在留資格で日本に在留している
• 婚姻関係が実質的に終了し、配偶者としての活動を行っていない状態が続いている
ただし、離婚や別居があったからといって、直ちに在留資格が取り消されるわけではありません。正当な理由の有無など、個別の事情が考慮されます。

別居していても正当な理由が認められる場合がある

例えば、次のような事情が考えられます。
• 配偶者からの暴力(DV)から避難している
• 子どもの養育など、やむを得ない事情で別居している
• 離婚調停や離婚訴訟を行っている
• その他、配偶者としての活動を行えないことについて合理的な事情がある
出入国在留管理庁も、これらに関連する具体例を公表しています。
重要なのは、別居の理由や婚姻関係の実態を説明できることです。必要に応じて、別居に至った経緯や調停関係の書類などを整理しておきましょう。
なお、離婚や死別などにより配偶者としての活動を行わなくなった場合には、在留資格変更の必要性や、届出義務についても確認することが大切です。

4.永住者・定住者も同じ基準で取り消される?

「永住者」や「定住者」など、身分関係を基礎とする在留資格についても、取消しのルールを正しく理解しておく必要があります。

永住者の場合

「永住者」には、就労系の在留資格に適用される「本来の活動を3か月以上行っていないこと」を理由とする取消規定は、適用されません。
そのため、会社を退職したことや、一定期間働いていないことだけを理由に、永住者の在留資格が取り消されるわけではありません。
ただし、在留資格の取得に関する虚偽や不正など、法律に定められた別の取消事由に該当する場合は、取消しの対象となる可能性があります。

定住者の場合

「定住者」についても、就労系の在留資格に適用される3か月の不活動に関する取消規定は適用されません。
ただし、永住者や定住者であっても、すべての事情において在留資格の取消しがないというわけではありません。
それぞれの在留資格に適用される法律上の規定を確認することが重要です。

5.仕事を辞めたときや離婚したときに確認したい届出

在留資格の取消しを防ぐためには、一定期間が経過するまで何もしないのではなく、必要な届出や今後の在留資格について早めに確認することが大切です。

会社を退職した場合

「技術・人文知識・国際業務」や「特定技能」などの在留資格を持つ外国人が、所属機関との契約終了や新たな契約の締結などをした場合、原則として、その事由が発生した日から14日以内に、出入国在留管理庁への届出が必要です。
転職する場合も、転職先で行う業務が現在の在留資格で認められる活動に該当するか確認しましょう。
転職先が決まっていても、業務内容によっては在留資格の変更や、別途手続が必要となる場合があります。

離婚した場合

「日本人の配偶者等」または「永住者の配偶者等」の在留資格を持つ外国人が、配偶者と離婚した場合などには、原則として14日以内に配偶者に関する届出が必要です。
また、離婚後も引き続き日本に在留することを希望する場合は、現在の在留資格を継続できるか、別の在留資格への変更が必要かを検討する必要があります。
在留資格の変更が認められるかどうかは、本人の経歴、就労状況、家族関係などによって異なります。

引っ越しをした場合

中長期在留者は、新たに住居地を定めた場合や、住居地を変更した場合、市区町村で住居地の届出を行う必要があります。
新たに中長期在留者となった場合や、転居した場合に、法律上定められた期間内に住居地の届出を行わないと、在留資格の取消事由に該当する可能性があります。
新たに中長期在留者となった場合や転居した場合は、原則として14日以内に住居地の届出を行いましょう。

6.在留資格の取消しはどのような手続で行われる?

在留資格の取消しは、単に一定期間が経過した時点で自動的に行われるものではありません。
原則として、取消しに先立ち、本人から意見を聴取する手続が行われます。
本人は、意見を述べたり、証拠を提出したり、資料の閲覧を求めたりすることができます。また、代理人を選任して手続に関与させることも可能です。
そのうえで、法令に基づき、在留資格を取り消すかどうかが判断されます。

取消し後の出国について

在留資格が取り消された場合、その後の取扱いは取消しの理由などによって異なります。
一定の場合には出国するための期間が指定されますが、すべてのケースで30日間の猶予が与えられるわけではありません。
また、指定された期間内に出国しない場合などには、退去強制の対象となる可能性があります。
そのため、取消しに関する通知を受けた場合は、内容を確認し、速やかに専門家などへ相談することが重要です。

7.在留資格に不安がある場合は早めに相談を

会社を退職した、転職活動が長引いている、配偶者と別居している、離婚したなどの事情がある場合、現在の在留資格を維持できるか不安に感じる方もいるでしょう。
しかし、同じような状況であっても、これまでの活動状況や今後の予定、やむを得ない事情の有無などによって判断が異なる場合があります。
大切なのは、問題が大きくなる前に、現在の状況を整理して必要な手続を確認することです。
松戸駅前行政書士事務所では、外国人の在留資格に関するご相談を承っています。
• 会社を退職した後の在留資格について相談したい
• 転職先で働くために必要な手続を確認したい
• 離婚後も日本に在留できるか知りたい
• 現在の状況で在留資格の変更が必要か確認したい
このようなお悩みがある方は、お早めにご相談ください。

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